こんなんで街ナカ走っていいの?な公道激速スポーツカー

Vol.38

過酷さで知られたドイツのニュルブルクリンク北コースで市販車のコースレコードを持つ、イギリスの自動車メーカー・Radical(ラディカル)。「東京モーターショー2015」では、市販が開始された「Radical RXC turbo」と、サーキット専用車両「Radical RXC turbo STO」の2車種が出展された。見るからにスポーツカー然としたご機嫌な2台のこのクルマ。自動車ジャーナリスト・小沢コージさんの目にはどう映る?

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Radical RXC turbo

Radical

Radical RXC turbo STO

Radical



大人がドハマり!公道向け&超過激スポーツカー!

小沢さん、「東京モーターショー2015」では、まだまだ知らないメーカーが多いとあらためて感じました。この2台のスポーツカーを出展していたメーカーはご存知ですか?

「もちろん。ラディカルでしょ!? 英語で“過激”って意味の社名を付けるくらいだからココはハンパじゃない。アマチュアのためのスポーツカーやレーシングカーを開発しているメーカーだから一般的には知名度が低いけどね。だけどこのメーカー、実は結構スゴくて、ポルシェやフェラーリを抑えてニュルブルクリンクの市販車コースレコードを持ってたりするんだ」

ということは、本格的なスポーツカーを製造しているわけですね。

「そうなんだけど、正確にはちょっと違うかな?大手スポーツメーカーの市販スポーツカーには当たり前のスタビリティーコントロール(横滑り防止装置)がなかったり、モノによっては大排気量バイクのエンジンを使ってたり、言わば“走る四輪スーパーバイク”みたいな側面がある。要は大人が自己責任で遊ぶクルマを造っているんだよ」

大人が遊ぶクルマ…なんだかワクワクしてきますね。では「東京モーターショー2015」に出展されていたクルマはどうなんでしょうか?

「普通のクルマじゃ当たり前の、快適性や居住性を望んだら大間違い。スゴい快速性能を発揮する分、他は全然ダメだったりといった感じで常識は通用しない。例えるなら“放浪の天才画家!?”みたいな奔放で極端なキャラクターだから(笑)」

すでに市販開始!

「まずはラディカル初のクーペタイプ・スポーツカーとして発表された『Radical RXC turbo』。これはすでに車検も取得していて、市販が開始されている」

これ市販車ですか?しかも車検も取得済みということは、公道走行OKということですよね?

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「もちろん公道での走行は可能だし、このナンバーは飾りってわけじゃない。エンジンには、最高出力460psのフォード製の3.5リッターV6ツインターボが搭載されている。それに対して、ボディーは1100kgと軽量化されていて、0-100km/h加速は2.6秒を記録しているらしい」

ずいぶん軽いボディーですね。

「ほとんど軽自動車並みだよね。軽さは小ささもあるけど、なにより本物のレーシングカーと同じ技術でボディーが作られているのが大きいね」

それってどういうことですか?

「実はFIA(国際自動車連盟)公認のレーシングマシンと全く同じロールバー一体型の高張力CDS炭素鋼チューブラースペースフレームが使われているんだ」

…??なんですか、その高張力CDS炭素鋼チューブラ−スペースフレームって?

「辞書で調べてくれ(笑)。ともかく、炭素鋼とは鉄と炭素の合金のことで、その軽量高剛性のパイプを使ってフレームが作られているってことだ」

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なるほど、軽量化と剛性を同時に実現することができるんですね!それにドアタイプはガルウィング!?

「それもスペースフレーム構造ならではだよ。この構造だとドア開口部が小さくて、逆に普通のスイングドアは不向きだろうね。実際にこのボディはルマン24時間レースに出走した同社の『SR9』から得られたデータを基に造られている。最高速時に900kgを超えるダウンフォースを発生すると発表されているから、これまた空力デバイスはすべて飾りじゃないってことだよね」

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サーキット専用のモンスターチューン!!

ラディカルが出展したもう1台の「Radical RXC turbo STO」。これも市販されているクルマですか?

「こっちは、東京モーターショーに合わせて特別製作されたサーキット専用車両で、参考出展された車両だね。『Radical RXC turbo』をベースに造られた進化型と言ってもいい」

どのあたりが違うんでしょうか?

「ずばり、ボディーカラー!?(笑)」

小沢さん……もちろんそれだけじゃないですよね?

「ウソウソ、冗談だよ。このクルマ最大のポイントはサーキット専用車ならではの大パワーだよね。『Radical RXC turbo』が最高出力460psだったのに対して、『Radical RXC turbo STO』は600ps以上。これはかなり常識無視のパワーアップで、おそらく排ガス規制とかを大幅に緩めて作られたんじゃないかな?」

なるほど。その走りをぜひ生で見てみたいですね!



ラディカルブームは今後、日本に来る?

ラディカルはあまり日本では知られていない気がしますが、海外ではどうなんでしょうか?

「お金持ちの中年層マーケットを掘り起こして、一般公道も走行できるロードゴーイングレーサーを“富裕層向けのクルマ遊び”として提案したメーカーってことで、海外では結構ブームになっているよ。中国とかでもウケそうだよね」

そうなんですね。では今後の日本ではどうでしょうか?

「上手く行けばある! 常に刺激的なスポーツカーを求める富裕層はいるだろうから、そのあたりの心を掴めばいい。ホリエモンなんかが気に入ってくれると最高なんだろうけど(笑)」

ホリエモンですか! まあ彼はクルマより宇宙旅行って感じですけどね。

「何かの機会にたまたま乗れば絶対ハマると思うけどな。なにより『ラディカル』の日本総代理店STOの社長は僕も取材したことがあるけど、“本物のクルマバカ”だから、気になる人は一度尋ねてみればいいよ」

CAR DATA

  • 車名:Radical RXC turbo
  • メーカー:Radical
販売開始年数
2015年
販売価格
2600万円
識者オススメ度
★★★★
  • □全長(mm) : 4200
  • □全高(mm) : 1170
  • □全幅(mm) : 1960
  • □ホイールベース(mm) : 2697
  • □乗車人数(人) : 2
  • □重量(kg) : 1100
  • 車名:Radical RXC turbo STO
  • メーカー:Radical
予想販売開始年数
なし
予想販売価格
なし
識者オススメ度
★★★★
  • □全長(mm) : 4200
  • □全高(mm) : 1170
  • □全幅(mm) : 1960
  • □ホイールベース(mm) : 2697
  • □乗車人数(人) : 2
  • □重量(kg) : 940

専門家Ozawa’s EYE
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オトナの遊び心をくすぐる車メーカーだよね。何より普通のポルシェやフェラーリでも満足できない、過激な思想を持つ熱いリッチマンに向いている。マジメにホリエモンとか楽天の三木谷さんとか普通じゃない人が乗ってくれれば日本のスポーツカー界も変わると思うんだけどね。

専門家・識者プロフィール
小沢コージ(おざわコージ)

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中のバラエティ自動車ジャーナリスト。『ベストカー』『webCG』『CAR SENSOR』『日経トレンディネット』『carview』などで多数連載。愛車はロールスロイス・コーニッシュクーペ&ホンダ・エディックス&トヨタiQ。


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